健康保険料率・雇用保険料率の改定|2026年度の適用時期

令和8年度(2026年度)の健康保険料率・雇用保険料率が改定されました。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに異なり、介護保険料率と雇用保険料率は全国一律です。

改定のタイミングを誤ると、従業員からの徴収不足や過払いが生じます。どの給与計算分から変更が必要になるのか、正しい手順を確認しておきましょう。

最終更新:2026年10月

 

この記事の結論(先に知りたい方はこちら)

  • 健康保険料率・介護保険料率は、令和8年3月分(4月納付分)から適用されます。
  • 大阪府の健康保険料率は10.24%から10.13%へ引き下げられました(全国平均は10.00%→9.90%)。
  • 介護保険料率は1.59%から1.62%へ引き上げられました(全国一律)。
  • 令和8年4月分(5月納付分)から、子ども・子育て支援金(0.23%)が加わります。
  • 雇用保険料率は令和8年4月1日から、一般の事業で合計1.35%(労働者0.5%・事業主0.85%)に引き下げられました。

 


 

目次

  1. 令和8年度の料率改定まとめ
  2. 健康保険料率・介護保険料率の改定
  3. 子ども・子育て支援金の創設
  4. 雇用保険料率の改定
  5. いつから適用?徴収月・締め日・支給日で判断する
  6. 給与計算システムの設定変更
  7. よくある質問

 


 

1. 令和8年度の料率改定まとめ

項目 令和7年度 令和8年度
健康保険料率(大阪府) 10.24% 10.13%(引下げ)
健康保険料率(全国平均) 10.00% 9.90%(引下げ)
介護保険料率(全国一律) 1.59% 1.62%(引上げ)
子ども・子育て支援金率 — 0.23%(令和8年4月分〜)
雇用保険料率(一般の事業・合計) 1.45% 1.35%(引下げ)

健康保険料率は都道府県ごとに異なるため、自社が加入している支部の料率を必ず確認してください。大阪府は10.13%ですが、他都道府県では異なります。

 


 

2. 健康保険料率・介護保険料率の改定

健康保険料率と介護保険料率の変更は、令和8年3月分(4月納付分)から適用されます。ここで重要なのは「保険料の徴収月」と「給与の支給月」です。

会社によって保険料の徴収タイミングが異なるため、以下の方法で判断します。

  • 翌月徴収の場合:3月分保険料は4月支給給与から変更
  • 当月徴収の場合:3月分保険料は3月支給給与から変更

 

【例】

  • 15日締め 当月末払い 翌月徴収 ⇒ 4月30日支払い給与から変更
  • 15日締め 当月末払い 当月徴収 ⇒ 3月31日支払い給与から変更

なお、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、健康保険料率に加えて介護保険料率(1.62%)がかかります。年齢によって負担が変わるため、社会保険・雇用保険における年齢別対応もあわせてご確認ください。

 


 

3. 子ども・子育て支援金の創設

令和8年4月から、社会全体で子育てを支える新しい仕組みとして「子ども・子育て支援金」が始まりました。

  • 率は0.23%(全国一律)
  • 適用は令和8年4月分(5月納付分)から

健康保険料とあわせて徴収されるため、健康保険料率の改定(3月分)と支援金の徴収開始(4月分)でタイミングがずれる点に注意が必要です。給与計算の設定を一度に見直すと、適用月を誤りやすくなります。

 


 

4. 雇用保険料率の改定

雇用保険料率の変更は、健康保険料率とは異なり、重要なのは「給与締め日」と「給与の支給月」です。令和8年4月1日以降、最初に到来する給与締め日に対して支給する給与から変更されます。

事業の種類 労働者負担 事業主負担 合計
一般の事業 0.5% 0.85% 1.35%
農林水産・清酒製造の事業 0.6% 0.95% 1.55%
建設の事業 0.6% 1.05% 1.65%

【例】

  • 15日締め 当月末払い ⇒ 4月30日支払い給与から変更
  • 15日締め 翌月末払い ⇒ 5月31日支払い給与から変更

締め日が月を跨ぐ場合でも、4月1日前と以後の料率を分ける必要はありません。

 


 

5. いつから適用?徴収月・締め日・支給日で判断する

まとめると、適用の考え方は次のとおりです。

制度 適用開始 判断の基準
健康保険料率 令和8年3月分
(4月納付分)から
保険料の徴収月と給与の支給月
介護保険料率 同上 同上
子ども・子育て支援金 令和8年4月分
(5月納付分)から
同上
雇用保険料率 令和8年4月1日以降の最初の締め日分から 給与の締め日と支給月

とくに、健康保険料率(3月分)と子ども・子育て支援金(4月分)で適用月が1か月ずれる点が、今年ならではの落とし穴です。従業員への説明資料も、この2つを分けて用意しておくと親切です。

 


 

6. 給与計算システムの設定変更

最近のクラウド給与計算システムでは、保険料の徴収月・締め日・支給日などの設定が行われていれば、自動的に料率が変更されるものがほとんどです。

一方、手入力で料率を変更するシステムを利用している場合は、会社ごとに変更月を確認し、設定変更を注意深く行いましょう。設定漏れは、そのまま従業員からの徴収不足につながります。

給与計算の設定ミスは、ほかにも起きやすいポイントがあります。給与計算でよくあるミス5選で確認しておきましょう。賞与にかかる料率の適用タイミングは、賞与における健康保険料率・雇用保険料率で詳しく解説しています。

 


 

7. よくある質問

Q. 大阪府の健康保険料率はいくらですか?
A. 令和8年度は10.13%です(介護保険料率・子ども・子育て支援金を除く)。令和7年度の10.24%から引き下げられました。

Q. いつから新しい料率になりますか?
A. 健康保険料率・介護保険料率は令和8年3月分(4月納付分)からです。徴収月と支給月で判断してください。

Q. 雇用保険料率はいくらになりましたか?
A. 令和8年4月1日から、一般の事業で労働者0.5%・事業主0.85%・合計1.35%です(前年度は合計1.45%)。

Q. 子ども・子育て支援金とは何ですか?
A. 令和8年4月分(5月納付分)から始まった、全国一律0.23%の支援金です。健康保険料とあわせて徴収されます。

Q. 介護保険料率は変わりましたか?
A. 全国一律で1.59%から1.62%に引き上げられました。40歳から64歳までの方が対象です。

 


 

まとめ

令和8年度は、健康保険料率の引き下げと介護保険料率・子ども・子育て支援金の増加が同時に起こる、やや複雑な年です。とくに次の2点を押さえてください。

  • 適用月が制度ごとにずれる:健康保険・介護は3月分(4月納付分)、子ども・子育て支援金は4月分(5月納付分)、雇用保険は4月1日以降の最初の締め日分
  • 判断基準が制度ごとに違う:健康保険は「徴収月と支給月」、雇用保険は「締め日と支給月」

こうした改定対応や毎月の正確な給与計算を社会保険労務士に外注することは、業務効率化だけでなく、コンプライアンス遵守の面でも大きなメリットがあります。

 


 

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参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度都道府県単位保険料率」/厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」

本記事は2026年10月時点の情報に基づきます。最新の料率は、協会けんぽ・厚生労働省にご確認ください。